我が国での脳血管障害の発症数は年間30万人程度と推定され、現在脳卒中で通院、入院されている患者さんは約250万人居ると厚生労働省の調査で発表されています。
さらに患者数は2020年には300万人以上にもなることが予想されています。
また寝たきりを含む要介護者中、脳血管障害が原因とされる要介護4、5の患者は30−40万人にもなると推定され、要介護4、5の重度の介護を要する患者全体の、約40%に及んでいます。
▲このページのトップへ
◆虚血性脳血管障害(脳梗塞)の種類
◆アテローム血栓性脳梗塞
【病 態】 脳内外の大きな血管の閉塞(動脈硬化)
【原 因】 高血圧・糖尿病・脂質異常症・喫煙など
【特 徴】 虚血性心疾患の合併
(監修:橋本洋一郎先生)
◆心原性脳塞栓症
【病 態】 心臓病が原因 (心臓内でできた血栓)
【原 因】 心房細動・急性心筋梗塞・ 心臓弁膜症
心筋症など
【特 徴】 脳梗塞の中では最も重症
(監修:橋本洋一郎先生)
◆ラクナ梗塞
◆一過性脳虚血発作とは
▲このページのトップへ
【修正可能な危険因子】
高血圧・糖尿病・脂質異常症・不整脈・喫煙・大量飲酒・肥満・運動不足・慢性腎疾患・ストレス など
【修正不可能な危険因子】
年齢・性別 (男性)・人種・家族歴 など
◆第1条 血圧は目標値まで下げるべし
◆第2条 糖尿病では血糖値とともに血圧もコントロールすべし
◆第3条 脂質異常症ではLDLコレステロールを100以下にすべし
◆第4条 心房細動はワルファリン(抗凝固薬)で管理すべし
◆第5条 動脈硬化性の脳梗塞は抗血小板療法で予防すべし
◆第6条 頸動脈狭窄は重大なリスク時には外科治療で回避すべし
◆第7条 禁煙は今すぐにでも始めるべし
◆第8条 お酒はほどほどに飲むべし
◆第9条 メタボの人は、減量すべし
◆第10条 日常的に適度な運動をすべし
◆第11条 日頃から水分補給を忘れるべからず
▲このページのトップへ
◆rt-PA治療の条件
脳梗塞発症4.5時間以内に投与開始が条件です。
その間に、rt-PA 投与の7D(Detection[発見]・Dispatch[出動]・Delivery[搬送]・Door[来院]・Data[情報]・Decision[方針決定]・Drugs[治療開始] )を行うことが必須です。
皆さんも脳卒中を理解し、しっかりと予防を心がけ万が一発症してしまったら、様子をみないで出来るだけ
早く救急車で来院して下さい。
rt-PAの登場によって、脳卒中の40% 近くはほとんど後遺症を残さずに回復できる病気になりました。
rt-PA 適応症例は直近の2次医療機関ではなく、rt-PA静注療法施行可能な施設にストロークバイパス
されます。
府中恵仁会病院では2009年4月から約5年間で90人以上の方にrt-PA療法を施行できました。
そのうち半数近くの方はご自身で歩いて退院されています。