診療科目
人工関節置換術について

当院では、以下のような病気の患者さんに対し、人工関節置換術を行っています。

人工関節置換術について


症状に沿ってご説明いたします。

【 変形性股関節症 】
変形性股関節症は、生まれつきの股関節の変形や骨折・感染などが原因で股関節の軟骨がすり減り、関節の変形や破壊が起こる病気です。症状は、歩いた後や動き始めの股関節周辺の痛みで、さらに進行すると歩くことや階段の上り下りが困難になります。股関節の動きも悪くなり、あぐらがかけない、足が開かないなどの症状がおこります。また、股関節の変形が進行すると、足の長さが短くなったり、股関節の筋力が弱くなったりするため、びっこ(跛行)になります。

治療は、まず股関節の負担を減らすため、体重を減らしたり、杖を使ったり、立ち仕事や重労働を控えたりなどの生活指導、股関節のストレッチや筋力訓練などの理学療法、痛み止めや湿布などの薬物治療、などの保存的治療が行われます。症状が進行すると手術が必要になります。 手術は、年齢や活動性、変形の程度により、骨切り術や人工股関節置換術が行われます。

【 大腿骨頭壊死 】
大腿骨の股関節をつくる部分は球形をしており、これを大腿骨頭といいます。
大腿骨頭を栄養する血行が何らかの原因で悪くなると、骨が死ぬ状態(壊死)になります。これが大腿骨頭壊死です。壊死した骨頭は、骨が弱くなるため、壊れて陥没したり、変形したりします。変形が進行すると変形性股関節症へと進みます。

症状は、骨頭の変形が少ない初期のころは、歩くときや階段を上り下りするとき、また動き始めに股関節周辺の痛みがあります。進行して骨頭が壊れると、骨折と同じように激しい痛みがおこります。痛みが一時的に治まっても、さらに骨頭の変形が進行すると変形性股関節症になり、歩行が困難になります。

治療は、変形性股関節症と同様に保存療法が行われます。進行して骨頭が変形すれば、手術が必要になります。 手術は骨頭の変形の程度や壊死の広さにより、骨切り術や人工股関節置換術が行われます。


人工股関節置換術とは

人工股関節は、股関節の痛みを取り除き、正常に近い股関節の動きを取り戻すために開発されました。
症状の進んだ股関節を人工股関節に置き換える手術を、人工股関節置換術といいます。
大腿骨と骨盤側の臼蓋を骨切りし、金属のコンポーネントとポリエチレンを設置します。

人工股関節置換術とは

手術の流れとしては、術後の出血のために、1ヶ月前に自分の血を採血して保存しておく自己血採血を行います。 手術前日入院で、手術は1時間半程度で終わります。術後保存しておいた自己血を輸血し、手術翌日もしくは翌々日から歩行訓練を開始、術後約3週間程度で杖歩行で退院可能です。

人工股関節置換術とは

【 変形性膝関節症 】
膝の関節の軟骨がすり減り、痛みや変形がおこる病気です。
膝の軟骨や靭帯のケガなどでもおこりますが、多くは原因不明で、肥満や老化により発症するといわれています。
症状は、歩きはじめや立ち上がり時などに痛みを訴え、病期が進行するにしたがって歩行中や階段昇降の痛みがおこるようになり、最後には歩行困難となります。進行すると、膝がO脚になり、膝の曲げ伸ばしが困難になり、膝が腫れて水が溜まるようになります。

治療は、まずは体重を減らし、膝の体操や筋力トレーニング・温熱療法などのリハビリや、痛み止めの内服・ヒアルロン酸の関節内注射など、保存療法で治療するのが基本です。症状が進行すると手術による治療が行われます。 変形の進行度や年齢に応じて、骨切り術、人工膝関節置換術などが行われます。

【 特発性骨壊死 】
膝の内側の大腿骨内顆という骨が死んでしまう(壊死)病気で、一般的に60歳以上の中高年の女性にみられます。原因は不明ですが、軟骨下の骨の微小な骨折が原因であるという報告がなされています。症状は膝の痛みですが、発症時は膝の激痛を起こすこともあります。その後、痛みが一時的に軽くなっても、壊死した関節面が壊れて陥没を始めると、また痛みが強くなってきます。これが進行すると変形性膝関節症になり、治癒が困難になります。

診断はレントゲン検査が行われますが、初期にははっきりと壊死が分からない時期がありますので、早期の診断にはMRI検査が行われます。

治療は、まず保存的治療が主体で、杖の使用、痛み止めの内服、装具療法、大腿四頭筋訓練などを行いますが、この病気は進行することが多く、将来的に手術が必要となることが多いようです。 手術方法は年齢や活動性、壊死範囲などで決定され、骨軟骨移植術や高位脛骨骨切り術、 人工膝関節置換術などが行われます。


人工膝関節置換術とは

人工膝関節は膝の痛みを取り除き、正常に近い膝関節の動きを取り戻すために開発され、 症状の進んだ膝関節を人工膝関節に置き換える手術を、人工膝関節置換術といいます。
大腿骨と脛骨・膝蓋骨を骨切りし、金属のコンポーネントとポリエチレンを設置します。
人工膝関節置換術には、膝関節全体を置換する全置換型と内側だけ置換する片側置換型があります。

人工膝関節置換術とは

【 全置換型人工膝関節置換術 】

全置換型人工膝関節置換術

手術の流れとしては、術後の出血のために、1ヶ月前に自分の血を採血して保存しておく自己血採血を行います。 手術前日入院で、手術は1時間半程度で終わります。術後保存しておいた自己血を輸血し、手術翌日もしくは翌々日から歩行訓練を開始、術後約3週間程度で杖歩行退院可能です。

全置換型人工膝関節置換術

【 片側型人工膝関節置換術 】
特発性骨壊死や変形が内側のみの変形性関節症の患者さんに対して、手術侵襲の少ない片側型人工膝関節置換術を行っています。 手術の流れとしては、出血は少ないため基本的に自己血採血は不要です。 手術前日入院で、手術は1時間半程度で終わります。

手術翌日から歩行訓練を開始し、術後約2-3週間程度で杖歩行で退院可能です。

片側型人工膝関節置換術
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